高級ブランドだからこそできる、スペシャルな感謝:ポルシェのFanページ100万人達成記念キャンペーン

いわゆる「高級ブランド」にとってソーシャルメディアでのマーケティング活動は、人間味を見せることや、顧客との距離を(大きく)縮めることが、ブランディングの問題から、ちょっと難しいのが実態。

「ちょっとお高くとまっている感」が、そもそもブランディングだったりするので、よく言われるソーシャルメディアを通じて顧客との関係を深めよう、というのとはちょっと話が違います。

でも自社のソーシャルメディア活動に賛同し、Fanになってくれている人には感謝の気持ちを伝えたいもの。

それもハイブランドらしく、スペシャルな形で。

先週、PorcheのFacebookのFanページが100万人達成記念として示した感謝の仕方が、とても素敵なものだったのでご紹介。

キャンペーンのスペシャルサイトを訪問していただくと、下のような画像になります。

Pp
さらにこれを拡大すると、、、

Pp2
もうおわかりですね。Fan一人一人の名前が、Porsche 911 GT3のボディに記されています。

Fanにとっては自分の大好きなPorcheの車体に自分の名前が載るということがうれしいでしょうし、ブランド側にとっても自社のハイブランド製品を通じて、クリエイティブに感謝の意を伝えられている、という好事例だと思います。

Fanページしかり、Twitterの公式アカウントしかりですが、企業だけが作り上げるものではなく、賛同するファンやフォロアー一人一人の参加があってこその結果。

そのことがしっかりと伝わってきます。

eメールレターを捨て、ソーシャルメディアに移行したBen & Jerry's

Bj
【訂正】別の情報ソースをあたったところ、メールで廃止されたのは英国市場向けのニュースレターのみで、イベントのお知らせなどにはメールを使用しているそうです。お詫びして(タイトル含め)訂正いたします。

米バーモント州に本社を置く、アイスクリームメーカで知られるBen & Jerry's社が、先週驚くべき発表をしました。

それは、e-Mailによるマーケティングを一切廃止し、ソーシャルメディアに消費者とのコミュニケーションを移行する、というものでした。
 
例えばFacebookの「Likeボタン」をメールの中に入れられるソーリューションの導入が予定されているように、e-Mailとソーシャルメディアマーケティングは、相性がよい補完関係にあると思うのですが、hubspotの記事によると、
 
Ben & Jerry'sは明らかにその逆のように感じていて、彼らの顧客はソーシャルメディアを通じてコンタクトされるほうが、e-Mailのインボックスからよりも好ましいと感じている。最後のeメールには、購読者に対してFacebookかTwitterを通じて繋がるように招待し、このアイスクリームブランドからメールを受け取るのはこれが最後になるだろう、と書かれていた。
 
However, Ben & Jerry's clearly feels otherwise and that their customers prefer contact through social media sites to email in their inbox. In their last email message, they invited their subscribers to connect with them via their Facebook or Twitter accounts, and this would be the last email they would receive from the famous ice cream brand.
 
Ben & Jerry's の顧客は、ブランドは好きだがメールは嫌いということを示していて、そうであるならメールを通じてではよい関係は築けない、という判断をしたようです。
 
確かにオンライン上の自分の居場所ともいえるソーシャルメディアの自分のページを通してメッセージが届けられるほうが、よりパーソナルに訪問をされている感じになり、受け入れやすい、ということはいえそうな気がします。
 
現在のBen & Jerry's のソーシャルメディアチャネルは、
 
Facebook:130万人以上のファン
Twitter:1万1千人以上のフォロアー(ほぼ全員と相互フォロー)
 
となっており、これだけあれば十分、ということなのでしょう。
 
また、ソーシャルメディアの方が顧客の声を直接聞くことが可能になり、さらにメールの配信費用やリストのメンテナンス費などのコスト削減にも繋がるとのこと。
 
今後このような動きをとる企業が増えていくのか、ちょっと注目したいですね。
 
ご参考

ノンリジェクターの参加を無理なく促すtwitterキャンペーン:世界エイズ孤児デーキャンペーン1 tweet, 1 smile #May7

Fan

@IHayato さんが参加されている、世界エイズ孤児デーキャンペーン"1 tweet, 1 smile"。その参加方法が実によくできていたのでご紹介。

企業で参加型のソーシャルメディアキャンペーンを実施すると、どうしても
 
「ファンを囲い込んで今後の情報発信を定期的に行おう」
「より詳しく知ってもらって、弊社へのファン度を高めてもらおう」
 
という方向性になりがち。
 
一方消費者目線で見ると、好きだけどファンというほどではない、あるいはその企業やブランドのファンであることを公表したくない、という具合に「ファン」の一言で一概にくくれるものではありません。
 
一般的に企業やブランドのファンをそのファン度別に分けると上図のようになります。コアファンであれば、そのブランドのファンであることを公表し自ら宣伝もしてくれますが、ノンリジェクター場合、ファンとしての態度表明は行わないが、拒否するレベル(リジェクター)ではない、と言う具合です。
 
この1 tweet, 1 smile キャンペーンには公式Twitterアカウントがありません。その代わり何をするかというと、
 
 
1 tweet, 1 SMILE 参加方法
  • プラス代表門田より発信されるツイートをRTして一人でも多くの人に知らせよう
  • あなたの意見や感想、エイズ孤児へのメッセージをつぶやこう
  • 必ず投稿の中に、参加者を結びつけるタグ「#May7」を入れてください。
  • プラス代表門田のアカウントは @Rui_Plas です。ぜひフォローして下さい!
  • 1 tweet, 1 SMILEツイッター壁紙できました。 ダウンロードはこちら です(zipファイル)。
 
と、これだけ。
 
ハッシュタグ「#May7」で緩やかに参加を促す手法をとっています@Rui_Plas さんの賛同できるツイートがあれば無言のRTでもよい、というのは弱めのコミットでも参加しやすいと思います。
 
さらにもう少しこのキャンペーンにコミットしている人向け、といえるのが、twibbonを使って、Twitterのアイコン(アバター)を変えるというもの
 
なぜもう少しコミットしている人向けと言うと、アバター(avatar)は、文字通り「化身=デジタルな自分自身」をあらわすものだからです。アバターにtwibbonをつけるのは、上記のブランドとファンの考え方で言えばファンであることの表明であり、コミットが深くないとちょっと躊躇してしまうでしょう。
 
そして、いわばコアファンにあたるもっとコミットしている向けには、「寄付」というオプションが用意されています。 
 
ちなみに、ソーシャルメディア上のキャンペーンをハッシュタグ主体で行うことには、短命なアカウントを作らずにすむというメリットもあり、@gosuke さんも、社内で推奨されているとこのことです(ご参考:ソーシャルメディアで「使い捨てアカウント」はやめようよ、という話)。
 
 
Hayato
 
 
「囲い込む」のではなく、「自分の意思で参加したいように参加する」ことを段階的に可能にする仕組みで、ノンリジェクターまで含めて気持ちよく参加できるこのキャンペーン。「当キャンペーンのソーシャルメディアポリシー」というものまで用意されていて、企業のソーシャルメディアキャンペーンをする際にも参考になると思います。 
 
今、1日に6000人以上の子供が
親をHIV/エイズで亡くしています。(plas-aids.org)
 
南アフリカで開催されているワールドカップのタイミングでのこのキャンペーン。多くの人がこういう事実を受け止めるきっかけになると良いですね。

"Fans First"の気持ちをもって、F1層向けに実施したTwitter中継

Fans First Logo

大企業でソーシャルメディアマーケティングを実施するのは様々な調整を伴い、容易ではありません。

筆者が現在所属している会社は世界的によく知られたブランドであり、日本にもファンが数多くいます。それゆえ、ソーシャルメディアマーケティングのようないわば「ブランディングを参加者に委ねる」チャネルに対してはなかなか踏み込めないのが実情ですが、「何もしないでいること自体がリスク」でもあるわけで、先日ささやかながらソーシャルメディアマーケティングを行いました。

実施したのは記者発表のTwitter中継。

いまさら何を、と言われそうですが、ブランドのターゲットが年齢区分で言うところのいわゆるF1層であり、Twitterビギナーを対象に実施した点でわりとユニークだったんじゃないかと思います。

筆者は、「無理してソーシャルメディアマーケティングをやる必要はない:ソーシャルメディアマーケティングとPRの高い親和性」というエントリを書いたこともありますが、「取り合えずTwitter」的なアプローチだけはしたくなかったので明確な目的設定をしました。

それはコカコーラではありませんが、まさに

"Fans First"

でした。ファンの方を記者発表会場にお招きできれば一番いいのですがそれは無理。Twitter中継であればメディア露出より早く製品情報や会社からのメッセージなどを臨場感をもって伝えることができます。

このエントリではその設計部分にフォーカスしてご紹介したいと思います。

そもそもF1層のどのくらいの人がTwitterをやっているの?
始める以前にまずどの程度のユーザーがいるかを把握しておく必要がありました。社外のリソースとしてはカフェグローブが実施した調査を参考にさせていただきました。

twitterやってる? 
もちろん! 1年以上前からやってます  3.72% 
最近(この半年以内)はじめました  25.42%
気にはなるけどやってません  35.59%
興味なし、やる予定もなし  30.16%
何、それ?  5.08%

カフェグローブの訪問者の属性を考えれば、F1層の約3割がアカウントを持っている、と言うことができそうですが、そのほとんどが(昨年末からの)テレビの報道などをみて登録したライトユーザーであることも見て取れます。

アクティブユーザーでなくても大丈夫?
上記のデータを受け当然この疑問がわいてくるわけですが、結論から言うと問題ありませんでした。フォローしてくれたユーザーの多くのアイコンはデフォルトのままで、フォロー/フォロアー数も10名以下という状態でしたが、後述するPV数やUU数を見る限りは問題なかったといえます。ポイントになるのは「このTwitterアカウントでしか得られない情報」を提供できるかどうかだと思います。

KPIは?
会社でコストをかけて実施する以上何らかのKPIの設定は必要。ここでは一般的なフォロアー数とPV数やUU数、リプライの定性分析を指標としました。フォロアー数についてはアクティブユーザーでなくてもフォローしてもらえるかどうかが分からなかったため、強気の読みと弱気の読みとで算出しましたが、結果的には強気の目標値に近いほうに振れた結果となりました。

フォロアーの集めかた
実はもっともこだわったのがここ。「フォロアー数の多いアカウントを持っている人にツイートしてもらえばいい」というような安易な意見も出てくる中、筆者はかたくなにFans Firstにこだわりました。別の言い方をすると、ファンではない人には知られないように運営したともいえます。一般的に行うであろう、プレスリリースや広告、公式サイトからのリンクなどは一切行わず、「メルマガを通じた招待のみ」に限定しました。

携帯
F1層のソーシャルメディア利用(mixiやアメーバ、モバゲーなど)の閲覧は、言うまでもなく携帯経由が大半です。またメルマガ経由の招待でもあったので、携帯電話対応には非常に気を配りました。準備の時間は非常に短かったのですが、PCと携帯で表示変換可能な画像アップロードサイトを自社で構築しました。ブランド管理の理由からtwitpicなどに画像をおきたくなかったのと、PV数やUU数を計測するためです。また、携帯のメルマガからの誘導は"twtr.jp"にするなどの配慮を行い、ツイートする際もPCと携帯とで別のURLを用意しました。

ガイダンス
対象がTwitterに詳しくない人中心であったため、Twitterアカウントに訪問した際に、「フォローの仕方」「ハッシュタグの使い方」「Twitterの公式FAQへのリンク」などがファーストビューで分かるよう事前にツイートをした状態でお迎えしました。 

と、設計から準備において配慮したことをまとめましたが、結果としては成功だったと思います。フォロアーは十分な数が集まり、画像ページへのPVやUUについても申し分の無い結果でした。

ご参考までにPCと携帯のアクセスに関して言うと、PCと携帯からのPV数/UU数はほぼ同数で、携帯への配慮の重要性を裏付ける結果となりました。また、Twitterビギナーを対象としておこなうことは、同時にTwitterの楽しみ方を伝えることでもあり、データを見る限りでは楽しんでもらえたのだと思います。

実際、このアカウントを見るためにTwitterに登録した、楽しい体験であった、今後も続けてほしい、というような声や、ブランドに対する具体的な意見を聞くこともできました。

さて、イベントをきっかけに立ち上げたアカウントですが、今後もFans Firstの気持ちをもって定期的にアクティブにしていきたいと思います。 

情報を隠す戦略で二年連続Buzz王者に輝いたiPhone:The 100 Most Social Brands of 2009

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年明け最初のエントリが去年の振り返りでいいのだろうか、と思いつつ。

ソーシャルメディアマーケティングのVirtue社が、The 100 Most Social Brands of 2009を発表しました。2008に続き、トップの栄冠に輝いたのはiPhoneでした。

CNNやMTVのようなメディア企業や、Wii、Xboxのようなゲーム系等の強さが光る一方、自動車ブランドが結構上位に食い込んでいます。GMが最下位であることを考えると、破綻が理由で盛り上がったわけではなさそうなので、善戦と言うべきかもしれません。

17. Mercedes
20. BMW
24. Ford
25. Honda
26. Ferrari
37. Nissan
38. Toyota
45. Audi
53. Kia
55. Porsche
56. Jeep
57. Dodge 
61. Suzuki
67. Volkswagen 
80. Chevrolet
85. General Motors

それにしても、iPhoneの2年連続首位は凄い。

場合によってはAppleのように情報を厳格にコントロールしてひた隠しにした方がBuzzが生まれる、ということを端的に示しているといえますね。

◆Virtue’s Top 100 social brands for 2009:

1. iPhone
2. Disney
3. CNN
4. MTV
5. NBA
6. iTunes
7. Wii
8. Apple
9. Xbox
10. Nike
11. Starbucks
12. NFL
13. PlayStation
14. Adidas
15. BlackBerry
16. Sony
17. Mercedes
18. Microsoft
19. Samsung
20. BMW
21. Nintendo
22. Best Buy
23. ESPN
24. Ford
25. Honda
26. Ferrari
27. Gucci
28. Nokia
29. Major League Baseball
30. Dell
31. Coca-Cola
32. CBS
33. ABC
34. iPod
35. Mac
36. Turner
37. Nissan
38. Toyota
39. eBay
40. Amazon
41. Victoria’s Secret
42. Nutella
43. NASCAR
44. Disneyland
45. Audi
46. NHL
47. Red Bull
48. Verizon
49. Intel
50. Subway
51. Hewlett-Packard
52. Puma
53. Kia
54. Fox News
55. Porsche
56. Jeep
57. Dodge
58. Pandora
59. Walmart
60. Zappos
61. Suzuki
62. McDonald’s
63. Krystal
64. T-Mobile
65. Skittles
66. KFC
67. Volkswagen
68. NBC
69. Sprint
70. Pixar
71. Motorola
72. IKEA
73. Pepsi
74. Cisco
75. REI
76. LG
77. AT&T
78. Converse
79. The Gap
80. Chevrolet
81. Luis Vuitton
82. Toys”R”Us
83. H&M
84. Philips
85. General Motors
86. Pringles
87. Visa
88. Prada
89. Panasonic
90. IBM
91. VH1
92. Hulu
93. Oracle
94. Burberry
95. SEGA
96. Sears
97. Avon
98. Jet Blue
99. Lacoste
100. Comcast

ネットで価値が高まったのはリアル:ガンダムとライブ・エンタテインメント市場規模の拡大

話題を呼んだお台場の実物大ガンダムの展示が終わったと思えば、「鉄人28号」の全高18メートル実物大モニュメントが神戸市で建設されています(公式サイト)。

そして海の向こう、韓国では全長約111メートルもの巨大ロボット『テコンV』なるものが建設されているそうです。

 
 『テコンV』とは韓国の国民的ロボットで、一言で表現するならば『マジンガーZ』のパクり。この『テコンV』が、馬山市(マサン)のロボットをテーマにした産業連係型テーマパーク『ロボットランド』にて急ピッチで建造中なんだとか。(デジタルマガジン

お台場ガンダムには負けない!

そうかと思えば、大阪市内の水辺を会場に開催中の「水都大阪2009」で、巨大なアヒルのオブジェ「フローティング・ダック」が、登場したそうです。
 
大川に浮かぶアヒルは高さ9メートル50、長さ11メートル。明治時代、淀川の改修を手がけたオランダ人技術者ヨハニス・デ・レイケにちなんで、同国の芸術家F・ホフマン氏に制作を依頼した。(読売オンライン

そういえば横浜博覧会では 巨大なクモ「ラ・マシン」が話題を呼びました。

昨年、「大きなことはいいことだ? - 実物大、巨大系イベント」というエントリを書きました。大きなものを展示すること自体は新しくないのですが(それこそ大仏とか昔からある)、とくにガンダムの展示を境に「強大なリアルを消費する」という行為が消費行動の一つとなりさらに、関連ビジネス活性化の手法として確立されたような気がします。

それを裏付けるかのような面白いデータがあります。

ぴあ総合研究所の「ぴあライブ・エンタテインメント白書 2009」によると、2008年のライブ・エンタテインメント市場は過去最高の1兆1,600億円だったそうです。

2008年のライブ・エンタテインメント5ジャンルの市場規模は1兆1,600億円と、推計を始めた2000年以降、過去最高を更新しました。2001年以降、1兆1,000億円台をほぼ横這いで推移しており、2008年も対前年比1.2%増と微増ですが、2008年の名目GDP成長率(暦年)がマイナス1.6%と日本経済が低迷する中、健闘を続けています。(リリース

20090909_big

ネットでの消費時間が増えたのと対称にネットによってリアルの価値が高まり、消費の選択と集中の結果、リアルの消費が高まった、という風に考えるのは自然なことに思えます。

筆者のオフィスの顧客のブログなどを見ていても、リアルなグッズのギフトなどを提供するとデジタルギフトと比較して非常に反応がよく、ブランドとの距離が縮まるっているがストレートに感じられます。

消費されるリアルを生み出し、そしてそれをまたネットに還元する。そんなエコシステムが築けたら最高ですね。

goole with DORAEMON

Doraemon

 

今日はドラえもんの誕生日ということで、googleのイラストにドラえもんが登場していました。
(マウスオーバーするとそのようにテキスト表示されます)

これは新しいタイアップ広告商品なのでしょうか?

追記:以前アトムもやったらしいです。

追記その2:広告商品ではない模様です。

ネット上の記事一つ一つから積み上げられる既存マスメディアのブランド

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TechCrunchに、「新聞はもはや「なんでもあり(ミニ総合メディア)」が売りではなく、Web上で良質な記事が評価される時代」との記事がありました。

昨日の筆者のエントリ「記者クラブ除名はどのような変化をもたらすのか?…「指名買い」で、人気のパブリッシャーになるのでは?」と基本的には同じことを言っていると思います。 

新聞も新聞のサイトも、これからは個々の記事の価値が勝負だ。良質な記事には、集積サイトのホームページだけでなく、Web上の至る所からリンクが付く。いろんなところから、読者が訪れる。まるでその記事には、ドアが何百万個もあるようなものだ。

良質な記事を量産できれば、ニュースアグリゲーターのなかで埋もれることなく輝き、

いつでもおもしろい記事のあるニュースサイトやブログは、集積サイトに毎日のようにそこへのリンクがあるようになる。そうすると、読者のあいだにブランドロイヤリティというものが形成される。

デジタルネイティブな若い世代に対しては、たとえば,

「Yahoo!ニュースで自分に興味のある面白い記事をよく書いているメディアって、実は朝日新聞だったんだ。」

というような、既存のマス媒体にとっては逆流ともいえる認知経路、すなわち日々のユーザーのネット上での行動から積み上げられるブランディングという発想の転換が必要なのかな思います。

そのためにも今の記者クラブ依存の体質改善は必要な感じがしますね。

記者クラブ除名はどのような変化をもたらすのか?…「指名買い」で、人気のパブリッシャーになるのでは?

 必然的に記者を短期で回すことは避け、ある程度分野を絞った長期ローテーションにならざるを得ない。この点、私が一番脅威に思う存在はやはり日経新聞である。産業分野も含めた人的配分は圧倒的であり、除名されても単独でクラブに匹敵するプレゼンスがある。長期ローテーションやられたら圧勝でしょう。

佐々木俊尚氏が「記者クラブを楯にして新聞を有料化しようと企てる人たち」 という記事の中で、

記者クラブによる情報独占を楯にして、談合によってこの有料化戦略を成功させればいい、と主張しているのである。

との考えを持っている人がいることを紹介し、もしそうなった場合、オンライン上で無料戦略をとるメディアはクラブを除名され、

独自のニュースソースによってオリジナルの記事を書くことしかできなくなり、発表モノを報じることはできなくなってしまう。この結果、ウェブ上では無料のニュースはごくわずかしかなくなってしまい、みんな新聞社の有料サービスに申し込まざるを得なくなる。

との見解を展開していました。記事の6割が「発表モノ」であると言われる中、これは致命的に思われます。

これに対し本石町日記さんの「あるメディアが記者クラブを除名されたら…=逆説的だが、超強力なメディアになるかも」というエントリでは、「発表モノ」はHPなどで開示されているので、除名されたメディアは、 「人とのコンタクト」を重要視するようになるだろう、との意見が述べられていました。

「記者クラブ」は記者を短期間でぐるぐる回すメディアには便利なシステムで、取材が容易になるインフラという側面が強い。従って、除名されたメディアは既存のつながりを一層大事にし、その後の人的ネットワークも非常に大事にする取材体制にすると考えられる。

個人的には後者の本石町日記さんの意見に賛成というか、そうなってほしい、と思っている立場です。

取材が容易になるインフラというのは、企業側の視点で言うと「効率的に発表しやすい」ということなので、実際記者クラブに対してはメディア、官民ともに相互依存している状態だと思います。

一方でこの体制が、画一的な記事を各紙が書く一因にもなっているのも事実だと思います。また、1年単位で(クラブの)担当記者が変わることで、記者の知識が表層的になり、独自の視点やメディアとしての独自性が海外メディアに比べて損なわれてしまっているとも思います。

もし本石町日記さんの指摘のように、長期ローテーションで記者が担当をすることになれば、豊富な知識を持つ記者の視点、メディアとしての独自性を結果強めることになり、画一的でない、ジャーナリズムとしてのポジションをそのメディアは確立することができるかもしれません。

そうなると、オンラインでもそのメディア、ひいては取材記者の「指名買い」に近い状態が発生し、Yahoo!ニュースなどでも人気のパブリッシャーとなれるのではないでしょうか。

よく言われることですが、「重要なのはコンテンツ」ということとでしょう。

情報源としての企業ブランドを確立する最短コース

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専門的な見地をインタビューや、寄稿記事、リサーチデータの公開、オープンハウスなどを通じて紹介し、業界内あるいは世間一般における「〇〇と言えばABC社」というような企業の認知獲得につなげる、という伝統的なPRの手法。

同じことをソーシャルメディアで効果的に行う方法は?

この問いに対する回答が、栄養と減量をめぐるソーシャルネットワークとして知られる、FatSecretのAPIを公開です。これにより、サードパーティのサイトやサービスが栄養に関する情データベースや、エクササイズや、健康に関する様々な情報にアクセスできるようになります。

その目的を説明するCEOのRodney Mosesの発言は、筆者がPR代理店時代、提案書によく書いていたのと同じようなフレーズでした。

「正確で信頼できる栄養情報ならFatSecret、というイメージを確立したい」

伝統的なPR手法をソーシャルメディアに置き換えると、それは「(APIを公開して)ソーシャル化する」ということと同義であり、最短コースなのだな、ということを認識させられます。

FatSecretの今回の動きは、以前のエントリ「5年前と今のPR環境の変化と、よいメッセージについて」 でもご紹介した、「良いメッセージの構成要素にopen sourceを加えるべき」ということの事例と言ってもいいでしょう。