WOMチャンピオンと"M"advocates:ロイヤルカスタマーの約3割がネガティブな方をクチコミするという調査

Madvocates-percentages-colloqu

via marketingprofs.com

 企業にとってロイヤルカスタマーは売上貢献だけではなく、クチコミをしてくれる重要な存在、とされていますが、それほど単純でもな、ということがロイヤルティマーケティングに関する出版や教育等を行うCOLLOQUYの調査によって明らかにされました(対象はアメリカの一般消費者3,295名)。

調査の結果によると、

26%が家族、友人同僚などに製品やサービスについての良い経験よりも悪い経験の方をクチコミする
・33%のWOMチャンピオンと呼ばれるブランドを積極的に推奨するグループでも、そのうちの31%が良い方より悪い方の経験を共有する

とのこと。

日本でもその通りだとすれば、「ロイヤルカスタマーを増やす=良いクチコミが量産される」という単純な絵は描けない事を証明していますね。

ちなみにCOLLOQUYでは、ネガティブなクチコミをする人をAdovocate(推奨者)の反対語として"Madvocate"と呼び、The New York Timesにも用語登録されたようです。

さらに属性別に比較してみると、富裕層(affluent)のうちの30%はMadvocateで、それに続くのが若年成人と女性層の25%で、富裕層に関しては全体平均の26%を上回っています。

Demographic

クチコミをする手法についても紹介されており、Face to faceのコミュニケーションが全体を通じて最も多い一方、若い世代ではソーシャルメディアや携帯のSMSを使ってクチコミする傾向にあることが分かります。

Tools

今回の調査結果に対して、COLLOQUYのマネージングパートナーKelly Hlavinka氏は次のように述べています。

Madvocacyは、チャンピオンの約3割が行っており、影響を与えます。ロイヤルティマーケティングにおいては、ポジティブ、ネガティブ両方のクチコミを生みだすという事を理解しなければならない。

ここでもうひとつ理解しておきたいのは、Madovocateの中にも39%のチャンピオンが含まれてる(重複している)、ということ。つまり次のようなことが言えると思います。

クチコミのされやすさ = 良い経験 < 悪い経験 < すごく良い経験(Wow)

良い経験が提供されるのはある意味当たり前。企業が意識すべきは、アンチファンをもファンにするようなスペシャルなWow体験を提供することだと思います、簡単ではありませんが。

Guy Kawasaki氏によるZapposのCEO、Tony Hsieh氏のインタビュー:企業家精神、Amazonへの売却、家族、そして幸せについて

Delivering Happiness: A Path to Profits, Passion, and Purpose
 
先ごろ"Delivering Happiness: A Path to Profits, Passion, and Purpose"という本を出版した、ZapposのCEO、Tony Hsieh氏のインタビューをGuy Kawasaki氏が行ったようで掲載されていました。
 
Zapposといえば、昨年末Amazonに12億ドルで会社を買収される、という大きな転換を経験したところ。インタビューでは企業家精神について、経営について、家族について、そして幸せについて触れられています。その一部を抄訳にてご紹介。
 
Q: これまでの起業経験を基に考えて、企業家精神は作られるもの?それとも生まれつきのもの?
A: ほとんどの人にとって12歳までに企業家精神を持つかそうでないかが決まると思います
 
Q: (オンラインで購入した靴の)無料配送や、(広大なアメリカでの)翌日配送などの背景にある計算は?
A: 私たちのポリシーは、マーケティングや広告に使うところのお金を、顧客体験に投資し、顧客にクチコミでマーケティングをしてもらうことです。無料配送や、翌日配送へのサプライズのアップグレードは、我々にとってのマーケティングコストと見ています。
 
Q: 企業家はどのうにしてどんなビジネスをはじめるべきかを決めるべきでしょうか?
A: 私なら、異業種の多くの異なることに、異なる人たちとともに挑戦していけば、自分にとって意義のあるビジネスのほうからあなたを見出してくれるでしょう。
 
Q: スタートアップ起業にとって悪いのは、資金が多すぎるのと資金が少なすぎること、どちらですか?
A: 資金が多すぎること。
 
Q: 企業家はどのようなビジネスプランを立てるべきですか?
A: 10年後の自分を考え、1年後までに実現したいことを考える。その間のことは分からないので実際あまり意味が無い。
 
Q: 顧客サービスは新しいマーケティングですか?
A: 新しくなったことは、全てが高度に接続し、情報伝播が以前よりもずっと早くなったことです(Twitterやブログなどを通じて)。顧客サービスのストーリーはそれがいいものでも悪いものでも、すぐに伝わり、企業ブランドにより大きな影響を及ぼします。
 
Q: 普通の昔ながらの電話はZapposにおいてどんな役割ですか?
A: 私たちは電話は最高のブランディング機器だと思っています。顧客との集中をした時間を5〜10分間持つことができますが、30秒のスーパーボウルの広告では、視聴者はあまり集中していません。電話で正しいやり取りを行えば、顧客は長い間覚えてくれていて、友人や家族に私たちのことを話してくれます。
 
Q: 会社が瀕死の状態になったことは、良かったことだと思いますか?
A: そうすることはできる、もし会社がそこから学んで、そのおかげでより強くなったのなら。
  
Q: AmazonはZapposを変えている?それともZapposがAmazonを変えている?
A: 私たちは双方から学んでいます。しかし、彼らの言葉に従うなら、AmazonはZapposが独立し続けることを容認している。私たちはこれからも独自に決定し、Zapposのやり方でブランドと企業文化を育んでいきます。
 
Q: 会社を2億6千5百ドル(LinkExchange)、12億ドル(Zappos)で売却した人物にとっての「幸せ」とは何ですか?
A: コントロールの実感、進歩の実感、つながり(関係性の数と深さ)、より高い目的、です。
 
Q: あなたの母親はあなたを誇りに思っていますか?それともまだ医者になってほしいと思っていますか?
A: 今でも医者になることを望んで切ると思います。
 
ちなみに"Delivering Happiness"には、2005年に一度は断ったAmazonへの売却に至った経緯が語らているそうで、「ザッポスの奇跡―アマゾンが屈したザッポスの新流通戦略とは」の著者、石塚しのぶ氏のブログにザッポスCEO、トニー・シェイの本『Delivering Happiness』を読んで・・・ にも紹介されています。 
 
主要な投資家であったセコイア・キャピタルが、これ以上ザッポスに投資し続けるのを拒んで、IPO(株式公開)に向けて圧力をかけ始めた、という背景があったらしいです。少し抜粋すると、「彼らは、企業文化に関するザッポスの取り組みを、僕のごく個人的なプロジェクトであるとしか考えておらず、『トニーの社会的実験』などと呼んでいた。社員の幸せについて考える暇があったら、どうしたらもっとたくさんの靴が売れるか心配すべきだ、というのが彼らの意見だった」という記述があるのですが、そういった投資家の姿勢に嫌気がさして、マネジメント・バイアウトを検討していた矢先に、アマゾンからのオファーが持ち上がったとか・・・。
 
"Delivering Happiness"の企業文化を守るための過酷な経験があったことがうかがわれますね。
 
ソーシャルメディアマーケティングでよく語られる、「アドボカシー型のマーケティング(顧客を徹底的に支援し、時として競合の製品をも薦めるマーケティング)」を地で行くZappos。その経営スタイル、発言は多くの示唆に富んでいます。
 
Amazon傘下となった第二ステージでさなる発展を遂げることに期待しています。